大胆な発想と思われるかもしれませんが、全ての道路を一方通行にして『対向車』とか『車両の左側通行』という言葉がこの世から無くなることを望んでいます。

 なぜかというと、あまりにメリットが多い上にデメリットがほとんどないからです。

 では具体的にどんなメリットがあるかというと、
  ・道幅の狭い道路でも、歩道や自転車通行帯、バス停用のスペースなどを確保できる。
  ・右直事故がなくなる。
  ・歩行者が道路を渡る際の危険要素が減る。
  ・交差点に右折車線が要らなくなる。
  ・二段階右折が不要になる。
  ・信号機の数を減らすことができる。
  ・安全ミラーの枚数を1/4に減らすことができる。
  ・地形の険しい例えば峠越えの道路などでは、対面通行の道路1本よりも一方通行の道路を2本建設する方が費用が安い。
  ・駅前やバスターミナル、空港といった場所でも多くの交通量をさばくことがことができる。
  ・都市の発展(都市化)や交通量の増加に合わせて柔軟に道路の増設が行える。
  ・Uターンがしやすくなる。
  ・コンビニワープを撲滅できる。

 もちろんデメリットが全くないわけではありません。全ての道路を一方通行にするには、ある通り近くに反対向きの一方通行の通りが必要となります。既に街並みや建物などがかなり出来上がってしまっていて、しかもある部分だけ道路が一本しか無く、反対向き用の道路の建設が不可能な場合は成立しません。ですが、都市部の地図をGooglMap等で見てみてください。どこをみても建物と道路だらけです。家やビル、店舗があればそこにはほぼ間違いなく道路が存在するのですから、道路が網の目のように張り巡らされているのはある意味当たり前ですね。

 これだけ道路があるのなら、交通という機能を1本の道路単位で考えるのではなく、ある程度地域を広げて道路をどのように機能させるかという発想で再考すれば、特に難しいことではありません。例えば環八から西に向かう五日市街道を上りの一方通行、井の頭通りを下りの一方通行にすることも十分可能です。

 現段階で一番難しいのは一級河川にかかっている橋をどうするかです。数十メートルぐらいの間隔で別の橋があれば好都合なのですが、数百メートルだとちょっと無理があります。これは難しいテーマではあります。あと、袋小路を一方通行にすることはできません。これはしょうがないことです。

 ただ、これらのデメリットは、実は道路や橋を作る前から『一方通行を2本セットで』という発想がありさえすれば、デメリットにはなりません。一方通行そのものにデメリットがあるのではなく、過去に作ってしまった対面通行のインフラをうまく有効利用できるか、難しいのかという課題が残ってしまうことによるデメリットなのです。

 なので将来的に、新たな対面通行の道路を作らないこと、一方通行にできるところはジャンジャン一方通行に置き換えていくことの方が、より前向きで建設的なことだといえます。